風景/映画再考Vol.4「映画による場所論 Geography via Film」

佐々木友輔 映像個展

日時|2017年12月4日(月)〜8日(金)、11日(月)〜15日(金)
11:00-18:00(土日休館)
場所|鳥取大学コミュニティ・デザイン・ラボ(CDL)
(※鳥取大学鳥取キャンパス広報センター内)
入場料|無料
企画|佐々木友輔
主催|鳥取大学地域学部附属芸術文化センター
平成29年度 鳥取大学地域学部長経費事業

展示作品|

『土瀝青 asphalt (infinite loop 2)』
DV/約120分(ループ上映)/2013年(2016年に再編集)
制作|佐々木友輔、朗読|菊地裕貴、音楽|田中文久
ロゴデザイン|藤本涼、原作|長塚節『土』
主題歌「おつぎ歌」
作曲|田中文久、作詞|菊地裕貴、歌|飯塚理恵子、ヴァイオリン|秋山利奈


『Geography via Film Okinawa 2017.0913-0920』
DV/分数未定/2017年
制作|佐々木友輔

仮留めの地(ニュー・フラット・フィールド)

美術展「ニュー・フラット・フィールド」
会期|2017年11月11日(土)〜11月12日(日)
会場|デジタルハリウッド大学八王子制作スタジオ(旧三本松小学校)
開場時間|11:30 – 19:00
入場料|無料
主催|NEWTOWN制作委員会(CINRA.NET、PONY CANYON、DUM DUM)
展覧会ディレクション|石井友人、中島晴矢、原田裕規
「虹の彼方」企画構成|石井友人
「仮留めの地」企画構成|佐々木友輔
「愛憎の風景」企画構成|中島晴矢・原田裕規
会場構成協力|佐藤研吾、帆苅祥太郎
展覧会グラフィック|仲村健太郎
参加作家・登壇者|石井友人、地理人(今和泉隆行)、関優花、かつしかけいた、Candy Factory Projects、小林健太、小林のりお、佐々木友輔、佐藤研吾、篠原雅武、筒井宏樹、中島晴矢、原田裕規、門眞妙、山根秀信

トーク・イベント|

「風景のメディウム──キャラクターから何が見えるか」
日時|11月12日(日)12:00–14:00
会場|デジタルハリウッド大学八王子制作スタジオ2階展示室
登壇者|筒井宏樹、門眞妙、佐々木友輔

「ニュー・フラット・フィールドとその作品について」
登壇者|石井友人、小林のりお、佐々木友輔、中島晴矢、原田裕規、他
日時|11月12日(日)16:00-18:00
場所|デジタルハリウッド大学2F Project room A

『ニュー・フラット・フィールド』は、ニュータウンを舞台にした、アーティストたちによる企画展です。会場は多摩ニュータウンにある旧三本松小学校の校舎で、会期中に複数の企画展示やトークイベントが予定されています。

なぜこの場所で展覧会が開かれることになったのでしょう?──その理由は、今から約25年前、本展ディレクターのひとりである石井友人がこの学校に生徒として通っていた事実にまで遡ります。「ニュータウン」と一口に言ってみたところで、実際には一概に語ることが難しいニュータウンにおける多様な生に寄り添うために、ニュータウン「について」語るのではなく、ニュータウン「から」語ることを目指し、本展は企画されました。
本展の企図は、ニュータウンについて「語り尽くす」ことではなく、ニュータウンについて当事者の立場から「語り損なう」ことにあります。

なぜなら、ニュータウンには多様な生の様態があり、そこから生まれる表現もまた多様であるため、それらを一度に語り尽くすことは到底できないからです。そのため、本展を通してニュータウンの「語り損ない」が生み出され、それを「語り直す」ために今後も展覧会が必要とされ、全国各地に拡張したニュータウンのように『ニュー・フラット・フィールド』が拡張していくことを目指します。

展覧会ディレクションは石井友人・中島晴矢・原田裕規が担当。参加作家・登壇者には、石井友人、地理人(今和泉隆行)、関優花、かつしかけいた、Candy Factory Projects、小林健太、小林のりお、佐々木友輔、佐藤研吾、篠原雅武、筒井宏樹、中島晴矢、原田裕規、門眞妙、山根秀信の15組が名を連ねます。

いま・ここにニュータウン「から」生まれる多様な表現を、そしてその「語り損ない」を、ぜひ目撃しに来てください。

「仮留めの地」
無数の郊外論や風景論が世に出回っているにも関わらず、わたしたちはいまだ依って立つ場所を適切に見たり触れたりできていない。そう思い知らされるのは、例えば「ここは何もないところだから」とか「風景は撮り尽くされてしまった」といった言葉を──NGワードに登録していたはずなのに──咄嗟に口に出してしまうときです。慣れ親しんだ街の途方もない捉え難さから出発して、土地の時間的・空間的なスケール、人間のスケール、制作のスケールがかろうじて重なり合う地点を見極め、仮留めすること。本展は、場所の記述方法の模索を続ける作家三名による現状報告です。

企画構成|佐々木友輔
参加作家|今和泉隆行(地理人)、佐々木友輔、門眞妙

記述の技術 Art of Description

出品作家|小森はるか+瀬尾夏美、佐々木友輔、髙橋耕平
会場|2016年5月21日(土)-6月12日(日)
時間|平日 13:00-20:00/土日祝 12:30-20:00(会期中無休)
会場|ARTZONE
企画|林田新(京都造形芸術大学専任講師)、櫻井拓(編集者)
   京都造形芸術大学プロデュース学科
http://artzone.jp/?p=2475

アーティストトーク
日時|5月21日(土)18:00-20:00
場所|MEDIA SHOP
入場料|500円(京都造形芸術大学の生徒は学生証提示で無料)

展覧会スタッフ
山崎秀隆、市下純子、島田真親(アートプロデュース学科3回生)
河野彩子、呉屋直、齋藤智美、森脇盟子、山崎汐莉香(同学科2回生)

展覧会趣旨|

かつて言葉や絵画によって行われてきた出来事の記録は、ある時から映画や写真などの映像メディアが担うようになってきました。それは劇映画や芸術写真と対立するものとしてドキュメンタリーというジャンルが成立したことに端的に現れています。しかし、映像の記録性を素朴に信じることが困難になった現在、ドキュメンタリーは、かつてのようにひとつのジャンルであることをやめ、より多面的で複雑なものになってきています。写真や映画、あるいは現代美術などの諸領域を横断し、政治と美学、現実と表象、真実と虚構といった二元論を積極的に交差させ撹乱する昨今のドキュメンタリー的実践。その傾向は、アーカイヴ形式を援用した作品群の増加という、昨今の潮流と無関係ではないでしょう。

本展の出展作家である小森はるか+瀬尾夏美、佐々木友輔、髙橋耕平は、こうした傾向を自覚的かつ先鋭的に実践しています。映像に加えて、オーラル・ヒストリー、ドローイング、文学作品、楽譜など様々な媒体を複雑に構成することによって、現実的な事象や歴史へのアプローチを試みる彼/彼女たちの作品では、かつてドキュメンタリーが依拠していた対象への窃視的観察という手法やカメラによる現実の客観的描写といった通念は、もはや意味をなさなくなっています。

東日本大震災以後に東北に移住し、被災地の様子を映像やドローイングによって描いてきた小森はるか+瀬尾夏美は、そこで培ってきた技術を「終戦」というテーマに援用した新作を展示します。佐々木友輔は、1910年に長塚節が執筆した長編小説『土』を着想源にして、搖動する手持ちカメラによって場所論を記述しようとする長編作品《土瀝青 asphalt》(2013年)を、髙橋耕平は、観菩提寺の御詠歌「松風」を継承する村人たちを取材した映像作品と唱歌譜によって構成した《となえたてまつる》(2015年)、ならびに、京都のアートウォッチャー「原田さん」の映像と彼が語る半生を綴った年表からなる《HARADA-san》(2013年)を展示します。

彼/彼女たちは、映像の記録性がもはや自明ではなくなったドキュメンタリー以後に、それでもなお、ドキュメンタリー的実践を行おうとしていると言えるでしょう。そこには、出来事や経験を記述するための新たな方法が様々なかたちで内包されているはずです。出展作品を通じて、それぞれの作品の独自性が浮かび上がってくるとともに、今日における〈記述の技術〉の奥行きと広がりが明らかになることでしょう。

第7回恵比寿映像祭 惑星で会いましょう

日時|2015年2月27日(金)-3月8日(日)
   2015年2月28日(土)13:45-14:45(ラウンジトーク)
会場|ザ・ガーデンホールほか
詳細 http://www.yebizo.com/

第7回恵比寿映像祭に、過去に制作した二つの作品を再構成した新作《Asphalt + Camera-Eye Myth – The Ride》および《The Code》を出品します。展示場所は恵比寿ガーデンプレイス内の「ザ・ガーデンホール」。2月28日13時45分からはラウンジトークがおこなわれます。

「反戦――来るべき戦争に抗うために」展

会期|2014年9月25日(木)-9月29日(月)
会場|SNOW Contemporary

土屋誠一氏の呼びかけによる展覧会「反戦――来るべき戦争に抗うために」展に参加します。

展覧会呼びかけ文
 2014年7月1日、集団的自衛権の行使容認が閣議決定されました。例えば、近くは、2003年からの自衛隊のイラク派兵など、憲法9条に明白に違反する政策がなされてきたのは事実です。しかし、今回の閣議決定は、日本政府が自発的に「戦争参加が可能な国家」であることを宣言したものであると理解できます。このことは、戦後日本においてまがりなりにも順守されてきた憲法9条において維持されてきた、平和憲法への決定的な裏切りです。日本の自衛力に関しては、様々な立場があり得るでしょうが、今回の熟議を経ないままの強引な閣議決定は、民主主義的な観点から言っても容認すべきではありません。
 このような現状において、美術になにが可能だろうか。美術における何らかの表現行為が、直接的に政治に効力を持つことはほとんどあり得ないだろうし、美術とは必ずしも、政治に対するアジテーションのためだけに存在するものではないでしょう。では、美術にかかわる人間は、自らの立場において何もしなくてもいいのか。勿論、時局に対して拙速な行動を取るべきではないというのもひとつの態度表明ではありますが、このタイミングにおいてなんらかのアクションを起こさないことは、未来の遺恨になると私は考えます。
 そこで、閣議決定の報道がなされた直後、私は突発的に、今回の閣議決定に反対するアクションを起こすべきではなかろうかと考えました。何も、作品やステートメントそれ自体によって「反戦」のメッセージを発する必要はありません。美術がある一定の自律性を持った表現であるとするならば、これまで積み重ねてきた主張を曲げ、反戦のメッセージを作品やステートメントに込める必要はないと考えます。ただ一点求められることは、展示という発表行為で個々の自立した表現者が、名前を連ねることだと考えます。もちろん、美術関係者の名前を並べて意見広告を出すだけでもいいし、あるいはネット上でキャンペーンを打つだけでもいいのかもしれません。しかし、美術に携わる私たちが可能な方法論には、「展覧会」という、特定の場所を一定期間占め、そこで自らの表現行為を発信するという、ほかの芸術ジャンルにはない手段があります。ゆえに、意見広告やデモ行動や署名活動(もちろん、それらを否定するものではないにせよ)ではなく、あえて「展覧会」として世に問うべきなのではないでしょうか。
 この展覧会は、アンデパンダン形式で開催します。展覧会場は東京都内某所で、会期は9月25日(木)から29日(月)です。最初の呼びかけをTwitter上で閣議決定直後に行ったため、既に参加賛同者は集まっていますが、私のこの呼びかけ文を読んで、「降りる」という選択をとる人もいるかもしれません。それもひとつの態度表明でしょうから、そのことを批判したりはしません。
 ともあれ、ノンポリの美術関係者であろうと、今回の集団的自衛権行使容認については、展覧会というかたちで反対の態度をきちんと表明すべきではなかろうか。私はそう考えます。この展覧会は、形式的には私が実行委員長を務めますが、展覧会自体は参加者全員が実行委員として主体的に責任をシェアすることが重要だと考えています。私は今回、一切のキュレーションを行いません。ゆえに、主体的に展覧会に関わる覚悟がないならば、参加は見合わせたほうがいいでしょう。このような展覧会を本気で組織する以上、参加賛同者にも相応の覚悟を持っていただきたい。お友達同士のグループ展気分や、単なるノリで参加するのだったら、それは控えていただきたい。ただ一点、集団的自衛権行使容認に反対し、日本が「戦争参加が可能な国家」となることに反対し、将来的に決して無いとは言えない戦争への突入に対し「反戦」という意思を共有できるならば、参加してください。このことは、日本から現われる未来の美術家や美術に携わる人々に希望を託すことになるはずですし、より広く、将来の子どもや若者たちに希望をつなぐことになると確信しています。
 知ってのとおり、太平洋戦争期には、美術家だけにとどまらず多くの芸術家が、総力戦のうちに動員されていきました。美術も社会と無関係ではない以上、時局の変数に対応し、変容を迫られるものではあります。しかし他方では、表現の自律的な領域を確保しておかないと、個々の表現は単なる社会の反映に過ぎなくなってしまいます。一見いまでは与件として私たちに保障されているかのように見える「表現の自由」など、知らぬ間に奪い取られているかもしれない可能性が潜在している。そして現在、そのような危機的状況は、既に足元にまで迫ってきていると私は考えます。
 私は自らをノンポリと自認していますし、「平和な戦後」しか知らない世代においては、ある程度そのような「ノンポリ」さは共有されていると思います。しかし、自らに与えられた「ノンポリ」さに甘んじて、「華麗にスルー」している場合ではない局面に至っている。今こそ行動の時です。
 この呼びかけ文に賛同し、参加を表明する美術関係者は何らかの方法で私に連絡を下さい。この呼びかけで集まった参加者に対しては、私は実行委員長として、展覧会の会場の準備、広報活動の実施について責任を負って遂行することを約束します。

2014年7月31日
「反戦――来るべき戦争に抗うために」展 展覧会実行委員長 土屋誠一