大木裕之×佐々木友輔 トーク「Life is a Narrative」
大木裕之個展「LTBT~理/無理の光」関連イベント
12月17日(日)16:00-18:00 於 TAV GALLERY
ジュリア・クリステヴァ「ハンナ・アーレント講義」
第1講〈生きること〉と〈語ること〉の終末
「人間の諸活動(労働、仕事、実践、実践的活動/観想的活動)のヒエラルキーをくつがえすことが、同時に思考と生のどちらも破壊し、思考と生を脅かすことはまちがいないのですが、生を救うためには、生の多種多様な変形や変質とその結果生まれた複雑な形態に関して、今もなお継続している研究にただちに戻ってみなければなりません。キリスト教的終末論に含まれ哲学の一部にもなっている生と思考の入りくんだ関係を引き継いで、アーレントは「精神」の脱構築と「歴史」とを共鳴させることによって、生命を「価値」そのものとする人間主義的イデオロギーの信念の誤りを示そうとしています。生が実現するのは、意味と実践のいずれについても「探求」を止めないかぎりでしかないからです。アーレントが「人間という存在に意味を与え人間としての在り方を輝かす源泉そのものをなすのは、実践において〔人物〕があらわになるという特徴と、物語を作って歴史的なものとなる能力との協同にほかならない」と言うのもこのためです。」(訳 青木隆嘉/論創社)