ビンダーVol.3(特集「ゴダール&gdgd妖精s」)

2015年11月23日(月・祝)の文学フリマで頒布される同人誌『ビンダーVol.3』(特集「ゴダール&gdgd妖精s」)に参加しています。ブースはキ-05〜06。私は連載「いま、個人映画を観るということ」の第3回「いまこそ飯村隆彦を読/見直す」を書きました。

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ビジュアル・コミュニケーション——動画時代の文化批評

編|限界研
著者|飯田一史/海老原豊/佐々木友輔/竹本竜都/蔓葉信博/冨塚亮平/藤井義允/藤田直哉/宮本道人/渡邉大輔
刊行日|9月30日
詳細|http://www.nanun-do.co.jp/mystery/genkai-visual.html
Amazon|http://www.amazon.co.jp/dp/4523265321/ref=cm_sw_r_tw_dp_Ej2.vb19ZJ3RP

編著者の渡邉大輔さんにお誘い頂き、限界研の新刊『ビジュアル・コミュニケーション–動画時代の文化批評』に寄稿しました。「三脚とは何だったのか――映画・映像入門書の二〇世紀」と題し、入門書の言説分析から、かわなかのぶひろ論、原将人論へと展開しています。

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udocorg 個展「れいより40℃も高熱」

2015.6.6 (sat) – 6.14 (sun) @TAV GALLERY
http://tavgallery.com/udocorg/

udocorgさんの個展に寄せて、短いテキストを書きました。
上記ウェブサイトにも掲載していただいています。

DID / udocorgについて
DIDを主宰するudocorgは、「映画」「動画」「ファッション」をビジュアルドウガという名のもとに出会わせようとする。しかしそれは、映画をウェブ配信する、登場人物にブランド物を着せる、ファッションブランドのPVを撮るといった意味合いに留まらない。彼が試みるのは、三項がそれぞれ洗練させてきた異なる美のありようを、あくまでひとつの画面のうちに融合させることなのだ。

決して簡単なことではない。美は必ずしも溶け合わない。時には反発し、打ち消し合うこともあるだろう(少なくとも21世紀の日本では、現代映画、ウェブ動画、ファッションの新たな潮流は、不幸な出会い損ねを繰り返しているように思えてならない)。

DIDのドウガに見られる、静止画のように(なのに)揺れる身体や、セルフィーの演技する(が故の)自然体、ぐだぐだ(振る舞い)とバキバキ(解像度)のカップリングといったものは、まさに異なる美の衝突が生んだ揺れや軋みであり、それらを融合させるための試行錯誤の痕跡であるだろう。あなたはこれを、それぞれの美の相容れなさと受け取るだろうか。それとも、映画とも動画ともファッションとも異なる、新たな美の誕生を予感するだろうか。

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ビンダーVol.2(特集『トランスフォーマー』)

2015年5月4日の文学フリマで発売される批評誌『ビンダーVol.2』(特集『トランスフォーマー)に参加しています。

わたしはマイケル・ベイ版トランスフォーマー・シリーズへの愛を込めた「トランスフォーマー追悼」と、「いま、個人映画を観るということ」と題した連載の第2回「『リヴァイアサン』はどう新しいか ツールとルックについての覚書」を書きました。

批評誌『ビンダーVol.2』(特集『トランスフォーマー)
2015年5月4日発行
B5サイズ(98頁)
https://cucuruss.booth.pm/items/553891

目次

《特集|トランスフォーマー》
・トランスフォーマー追悼  佐々木友輔
・John Ford goes to China——トランスフォーマーについて  noise
・『トランスフォーマー』のショット分析  Murderous Ink

《マンガ》
・Adventure Of Sakekasu-chan  飛白

《寄稿》
・ディザスターの風景論 —Vintage songs & Postcards—  いなもと
・《時評:深夜アニメ》10 年代深夜アニメのいくつかの傾向について
第1 回 中間共同体の危機と日常系決断主義の台頭  てらまっと

《時評》
・《文芸》わたしたちが読んでいるもの、それは   第1回「だれか」が見ている風景  桜井晴也
・《 キッズアニメ》KIDS in HER  第1 回 子どもたちは本音で遊ぶ(or 子どもたちは本音に遊ぶ)  すぱんくthe はにー
・《 ゲーム》海外PCゲーム時評   第1回 サバイバル系ゲーム  志津A
・《映画》なにかが映ってる   第1回 あなたのいない世界で  鈴木並木
・《 本格ミステリ》ギリシャの棺はいかに埋葬されたか?   第1回 「メタゲーム」の規則  noirse

《連載》
・いま、個人映画を観るということ(二) 『 リヴァイアサン』はどう新しいか—―ツールとルックについての覚書 佐々木友輔
・眩暈のする散歩を、シネコンで——21世紀映画史 ・第2回 ロードムービーのヴァニシング・ポイント   noirse ・全世界音楽史 第二回  永田希
・石の断章 第二回  冨樫達彦
・セル(画)論 第二回 宙に浮かぶ、彼女の独身者たちによって透明化された花嫁、さえも(前編) 河原学

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そのたびごとにただひとつ 門眞妙の絵画について

門眞妙さんの絵画についての短いテキストを書きました。このテキストは中国語に翻訳され、今月台北でおこなわれるアートフェア「Young Art Taipei」で、門眞さんの作家紹介のようなかたちで公開されるそうです。門眞さんの出品作品は、4月3日(金)から新宿眼科画廊にておこなわれる上記アートフェアのプレビュー展でも見ることができますので、ぜひともご覧ください。

「preview of YAT」展
LEE KAN KYO / MIRAI / 町田ひろみ / 門眞妙
http://www.gankagarou.com/sche/201504previewofyat.html

そのたびごとにただひとつ 門眞妙の絵画について

門眞妙は「風景」と「少女」をくり返し描く。その風景はまるで少女の心象風景のようであり、あるいはその少女は風景を擬人化した姿であるかのようだ。いずれにせよ両者は分かちがたく結びつき、まったく同じ表情を浮かべている——。

日本人の郷愁を誘う団地や遊園地。東京の新たなシンボル・スカイツリーが遠くに見える古い墓地。いずれビルか何かが建つのであろう広大な更地。門眞が描く「風景」に共通しているのは、まるで永遠に時が止まったかのような印象と、それでもやはり刻々と時は進み続けているのだという感慨の二重性である。

彼女は常に現在を見ている。例えば昭和期(1926〜89年)を思わせる古い街並も、当時の様子の再現ではない。建物は老朽化し雑草が生い茂っているが、まだ廃墟にはなっていない。現在進行形で人びとが暮らす生きた街として描かれているのだ。

それはありふれた、見慣れた景色であり、いつまでもそこに在ると錯覚しそうになる。しかし10年後も同じ場所に同じ風景が残っている保証はどこにもない。門眞はそうした風景に愛情を注ぎながらも、変わり続けていくことを拒むのではなく受け入れ、二度と戻ってこないひとつひとつの瞬間をしっかりと見届けようとする。

同じことが「少女」にも言える。私たちがいま街で目にする少女たちは、当然のことながら10年前に見た少女とは別の誰かである。また、門眞の参照元であるアニメや漫画にくり返し描かれてきた少女たちも、その時々の流行や作者の画風の変化に合わせて、その都度別の顔や表情を背負わされてきた。

一見何も変わらないようで、実の所、いつまでも同じものなど何ひとつないのだということ。そんな事実を門眞は平面に刻みつける。とりわけ近年の作品に描かれた少女たちは皆、自身が少女であることからの卒業を間近に控えたような表情を浮かべている。永遠に止まっていた時間が再び動き出そうとしているかのような、まさにその瞬間が捉えられているのだ。

それはおそらく作者の「少女」というモチーフからの卒業を示唆するものではないし、アニメや漫画に登場する少女像への安易な批判でもないだろう。門眞が描くのは、決して別の何かと交換することができないものである。彼女の絵画を前にした観者はその都度、ただひとつの風景、ただひとりの少女と向き合うことを促されるのだ。

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ビンダー Vol.1(特集『たまこラブストーリー』)

批評同人誌『ビンダー』創刊号
特集『たまこラブストーリー』
編|ククラス
発行日|2014年11月24日
判型|A5サイズ(107頁)
https://cucuruss.booth.pm/items/553877

目次

《 特集|たまこラブストーリー》
・無意識をアニメートする  —『たまこラブストーリー』と非人間への愛 てらまっと
・この歌はあなただけに聴いてほしい たけくら
・山田尚子論  noirse
・『 たまこラブストーリー』におけるセル(画)を巡って 河原学

《 連載》
・いま、個人映画を観るということ(一)  二〇世紀、もうひとつの映画・映像史  佐々木友輔
・ 石の断章  冨樫達彦
・シネコンで、眩暈のする散歩—21 世紀映画論STAGE 1 ゲーム映画のレベルデザイン―トム・クルーズのマリオ的身体 noirse
・全世界音楽史 永田希

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土瀝青——場所が揺らす映画

編者|木村裕之+佐々木友輔
判型|A6(文庫判)/全196頁/ISBN978-4-9905835-1-4 C0074
価格|1500円+税
発行|2014年11月1日
執筆者|石川初、鈴木並木、地理人(今和泉隆行)、永瀬恭一、南後由和、萩野亮、渡邉大輔、渡邉英徳、佐々木友輔
発行|トポフィル

茨城の貧農の暮らしを描いた長塚節の長編小説『土』(1910年)を原作として、そのテキストの朗読と、郊外化を経た現在の茨城を撮影した映像をかさねあわせることによって制作された映画『土瀝青 asphalt』(2013年)。本書はその公開を記念して編まれた論考・対談集である。『土瀝青』を観ることを出発点として、映画、ドキュメンタリー、アート、社会学、都市論など様々な分野で活躍する著者たちが、芸術と場所の関わり、そしてこれからの作家のあり方について論じる。巻末に『土瀝青』の朗読脚本を収録。

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二種類の幽霊、二種類の霊媒——揺動メディアとしての映画論

批評誌『ART CRITIQUE n.04 メディウムのプロスティテューション』
Web Site

2014年5月初旬発売
本体2200円+税
A5 判並製 モノクロ232頁
ISBN978-4-9905499-4-7 C0070

発売|constellation books
デザイン|宇平剛史

批評誌「ART CRITIQUE n. 04 メディウムのプロスティテューション」に、拙稿を掲載していただきました。揺動メディア論の実践として、固定カメラ(およびその応用であるステディカム※)で撮られる主観ショットと手持ちカメラで撮られる主観ショットをそれぞれ「浮遊霊の映像」と「地縛霊の映像」と呼び区別して、両者にはたんなる撮影技法の違いに留まらない、映画制作にかんする「思想」の違いがあるのだということを論じています。

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Camera-Eye Myth/郊外映画の風景論

ドキュメンタリーを中心としたカルチャー情報・批評を発信する「neoneo web」で、短編動画と論考をセットにした連載を始めることになりました。毎月更新、全十回を予定していますので、最後までおつき合い頂けましたら幸いです。テキストと動画は上記のリンクから見る(読む)ことができます。

Camera-Eye Myth/郊外映画の風景論
http://webneo.org/archives/tag/佐々木友輔

朗読:菊地裕貴、音楽:田中文久、キャラクターデザイン・原画:門眞妙
主題歌『さよならのうた』
作詞・作曲:田中文久、歌:植田裕子、ヴァイオリン:秋山利奈
2014年4月から12月まで、「neoneo web」にて連載


Episode.1 Authors / Memory
郊外という立場なき場所をめぐって (http://webneo.org/archives/20386


Episode.2 Fathers(1) / Heterotopia
ふたつの均質な風景(http://webneo.org/archives/20523


Episode.3 Fathers(2) / Illness
郊外/映画のヘテロトピー(http://webneo.org/archives/21588


Episode.4 Mothers(1) / Isotopia
イゾトピックな白壁の裏(http://webneo.org/archives/22812


Episode.5 Neighbors(1) / Daydream
そこそこ楽しい故郷に生きる(http://webneo.org/archives/23479


Episode.6 Neighbors(2) / Nightmare
悪所と復讐(http://webneo.org/archives/24307


Episode.7 Neighbors(2) / Nightmare
描くことのできない権力(http://webneo.org/archives/25236


Episode.8 Brothers(1)/ Reset
地域映画の発見(http://webneo.org/archives/26340


Episode.9 Brothers(2)/ Oblivion
郊外的風景の次の百年に向けて(http://webneo.org/archives/27059


Episode.10 Readers / Cinema
ドキュメンタリー(http://webneo.org/archives/28299

フェイクドキュメンタリーとして『ホビット』を観る

2月28日から、いよいよピーター・ジャクソン監督の最新作『ホビット 竜に奪われた王国』の公開が始まります。現時点ではわたしもまだ観ることができていないのですが、今回はちょっと風変わりな「予習編」として、この映画をより楽しむためのアイデアを紹介したいと思います。
http://blog.livedoor.jp/book_news/archives/37211346.html

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速度の映画について

BookNewsに拙稿「速度の映画について」を掲載していただきました。近年のハリウッド映画に見られる「過剰な速度」をどのように受け止めるべきかについて、自分の考えをまとめています。

「視覚もまた肉体を持っていた」速度の映画について(1)トランスフォーマー以後
http://blog.livedoor.jp/book_news/archives/36281746.html

「世界は大きすぎるよ」速度の映画について(2) マン・オブ・スティールに触れる
http://blog.livedoor.jp/book_news/archives/36282780.html

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映画批評MIRAGE 6号

映画批評誌「MIRAGE」6号に、インタビューと拙論「生まれたときから揺れていた ― 揺動映画への招待」を掲載していただきました。

映画批評MIRAGE 6号
特集|なぜ映画なのか?
発行|MIRAGE編集部
2013年12月/A5/100頁/¥600

インタビュー
 佐々木友輔「『土瀝青 asphalt』/手ぶれ映像の複数性」
 村山匡一郎「映画の教育者として/山形映画祭」

特集 なぜ映画なのか?
 映画と死者を思い出すこと 慶野優太郎
 生まれたときから揺れていた ― 揺動映画への招待 ― 佐々木友輔
 世界がぜんぶタイムマシンだったなら、と誰かが 大内啓輔
 スクリーンのその先に ― 特撮と映画 ― 鈴木祐太
 「夢」としての二郎の人生―『風立ちぬ』から見えてくるもの ―若林良
 ラブストーリーで考える 『きみに読む物語』と『ウォーリー』を例に 今村竜士

エッセイ
 かけがえのない出会いたちへ 若林良
 映画のおばけ 内山菜生子

レポート
 新米プログラムディレクター奮闘記 二宮夕季
 ニューヨーク、コロンビア大学院より 鳩飼未緒
 イフラバ国際ドキュメンタリー映画祭 2013レポート 慶野優太郎
 映画館紀行 テアトル石和 東山みのり
 100席の映画館が観客を待っている 石田晃人

シリーズ 映画無名人

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