I N T R O D U C T I O N
About the Movie
映像作家・佐々木友輔が、『略称・連続射殺魔』や『初国知所之天皇』を嚆矢とする〈風景映画〉の系譜を引き継ぎつつ、「風景」の裏に隠された基層の秩序を捉えるために構築された方法論〈場所映画〉を実践した映画/ドキュメンタリー。JR常磐線・関東鉄道常総線・つくばエクスプレス沿線を中心として、茨城全土を移動しながら撮影した映像に、長塚節による長編小説『土』を編集・再構成したテキストを朗読する声と音楽をかさねあわせることによって、おおよそ百年前に書かれた場所をめぐるテキストと、現在の「郊外的」なる場所を捉えた映像とを映画の上で出会わせる試みである。Staff
佐々木友輔(制作・撮影・編集)映像作家・企画者。一九八五年生まれ、兵庫県神戸市出身。映画制作を中心に、展覧会企画や執筆など様々な領域を横断して活動している。イメージフォーラム・フェスティバル2003一般公募部門大賞。主な上映に「夢ばかり、眠りはない」アップリンク・ファクトリー、「新景カサネガフチ」イメージフォーラム・シネマテーク、「アトモスフィア」新宿眼科画廊、「土瀝青 asphalt」キネアティック、主な著作に『floating view “郊外”からうまれるアート』(編著、トポフィル)がある。
菊地裕貴(テクスト朗読)
一九八九年生まれ、福島県郡山市出身。文字を声に、声を文字に、といった言葉による表現活動をおこなう。おもに朗読、ストーリーテリング中心のパフォーマンスを媒体とする。メッセージの読解に重きを置き、言葉を用いたアウトプットの繊細さを追究。故郷福島県の方言を取りあげた作品も多く発表。おもな作品に「うがい朗読」「福島さすけねProject」「あどけない話、たくさんの智恵子たちへ」がある。[WEB]
田中文久(主題歌・音楽)
作曲家・サウンドアーティスト。一九八六生まれ、長野県出身。音楽に関する様々な技術やテクノロジーを駆使し、楽曲制作だけでなく空間へのアプローチや研究用途等、音楽の新しい在り方を模索・提示するなどしている。主な作品に、『GYRE 3rd anniversary 』『スカイプラネタリウム ~一千光年の宇宙の旅~』『スカイプラネタリウムⅡ ~星に、願いを~』CDブック『みみなぞ』など。また、初期作品及び一部の短編を除くほぼ全ての佐々木友輔監督作品で音楽と主題歌の作曲を担当している。[WEB]
土瀝青 asphalt
DV/186分/2013年
制作 佐々木友輔
朗読 菊地裕貴
音楽 田中文久
ロゴ 藤本涼
原作 長塚節『土』
主題歌『おつぎ歌』(作曲:田中文久、作詞:菊地裕貴、歌:飯塚理恵子、ヴァイオリン、秋山利奈)
T H E A T E R
disPLACEment――「場所」の置換vol.3
佐々木友輔作品「土瀝青 asphalt」上映会
沖縄県立芸術大学 首里当蔵キャンパス 一般教育棟 大講義室[WEB|MAP]
2015年12月12日(土)13時30分~(入場は30分前から)
入場無料
上映 13時30分~
(休憩)
トークセッション 17時00分~ 佐々木友輔×土屋誠一
主催:沖縄県立芸術大学 土屋研究室(tsuchiya(at)okigei.ac.jp)
助成:公益信託宇流麻学術研究助成基金
『土瀝青——場所が揺らす映画』書籍刊行記念上映・トークイベント
※終了しました。
渋谷 イメージフォーラム・シネマテーク[WEB|MAP]
2014年11月22日(土)
13:30 『土瀝青 asphalt』上映 + トークA(ゲスト:石川初)
18:00 『土瀝青 asphalt』上映 + トークB(ゲスト」沢山遼)
受付(各回入替制)
一般 1,000円/会員 700円
※書籍『土瀝青 asphalt ——場所が揺らす映画』の持参、またはご購入で一般料金より500円割引
石川初 Ishikawa Hajime
1964年京都生まれ。ランドスケープ・デザイナーとして、景観計画や外部空間の設計に携わるとともに、GPS受信機や地図を使った様々なフィールドワークやイメージ表現、執筆活動を行っている。自称・地上絵師。主な著書に、『今和次郎『日本の民家』再訪』(共著、2013年日本建築学会著作賞)、『ランドスケールブック——地上へのまなざし』などがある。千葉大学特任准教授。早稲田大学、武蔵野美術大学にて非常勤講師。
沢山遼 SAWAYAMA Ryo
1982年生まれ。美術批評。主な論考に「描画/演奏――石田尚志論」(『組立―転回』2914年、組立)、「限界経験と絵画の拘束――香月泰男の シベリア」(『前夜/前線――Critical Archive vol.2』2014年、ユミコチバアソシエイツ)など。
B O O K
書籍『土瀝青——場所が揺らす映画』(トポフィル、2014年)
茨城の貧農の暮らしを描いた長塚節の長編小説『土』(1910年)を原作として、そのテキストの朗読と、郊外化を経た現在の茨城を撮影した映像をかさねあわせることによって制作された映画『土瀝青 asphalt』(2013年)。本書はその公開を記念して編まれた論考・対談集である。『土瀝青』を観ることを出発点として、映画、ドキュメンタリー、アート、社会学、都市論など様々な分野で活躍する著者たちが、芸術と場所の関わり、そしてこれからの作家のあり方について論じる。巻末に『土瀝青』の朗読脚本を収録。編者
木村裕之、佐々木友輔著者
石川初、鈴木並木、地理人(今和泉隆行)、永瀬恭一、南後由和、萩野亮、渡邉大輔、渡邉英徳Ⅰ 場所が揺らす
鈴木並木「百年後」渡邉英徳+佐々木友輔「どこまでを明らかにし、どこまでを隠すのか—デジタルアーカイブとドキュメンタリー」
南後由和「郊外の移動・リズム・ヘテロトピア」
石川初+佐々木友輔「続けることは見つけること——場所と関わるためのヒント」
Ⅱ 映画が揺れる
永瀬恭一「音/声/映像の中点に生まれるもの 佐々木友輔《土瀝青 ASPHALT》冒頭二分十六秒の構造」地理人+佐々木友輔「地図と映画—経験の変換」
萩野亮「土、瀝青、岩」
渡邉大輔「現代映画と「情報風土」―『土瀝青asphalt』小論」
Ⅲ 『土瀝青』の設計図
佐々木友輔「〈風景映画〉から〈場所映画〉へ」佐々木友輔+長塚節「映画『土瀝青 asphalt』朗読脚本」
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